吟醸酒のような華やかでキレのある香味!日本の食卓でも活躍します。
リグーリア州のオリーブと言えばタジャスカ種。遺伝子的には500種以上もあると言われるイタリア原産のオリーブの中でも、指折りに有名な品種です。マイルドでフルーティーな香味から、世界中のオリーブオイル・ファンに好まれています。ストロングタイプのトスカーナ産、グリーンタイプのシチリア産とともに、イタリアの三大人気産地といってもいいかもしれません。
伝統的に黒く熟した状態で収穫、搾油されてきたこのタジャスカ種。生産者によっては、秋から始めた収穫が翌年春まで続くこともあります。当然ながら、オリーブオイルの品質、個性にも幅が生まれます。また、これまたリグーリア州の伝統といっても伝統的圧搾法(石臼粉砕、ディスク圧搾)が主流だったこともあり、今日の物差しで見ると、どこか時代遅れの印象があるのも事実でした。パオロ・カッシーニが登場するまでは。
パオロ・カッシーニは、これらすべての慣習を打ち破り、今日的なオリーブオイル作りに挑戦した生産者です。収穫時期は11月12月に限定。まだ未完熟の青い果実を搾油します。また、搾油は、いち早く導入した最新の搾油機(連続サイクル方式)で行います。ここから生まれるオリーブオイルは、タジャスカ種特有の甘い芳しい香味を残しながら、他のタジャスカ種にはあまり見られない草の香りを感じさせます。見事というほかありません。
オリーブオイルの名前「シャッパウ」はリグーリアの古い言葉で「真っ二つに割った」という意味です。この地では70、80年前まで「良いオイル」のことを『シャッパウ』と呼んだそうです。「二つに割ったオリーブから、自然に流れ出るジュースのようなオリーブオイル」というような意味合いのようです。パオロは、搾油所ではいつも必ずこの言葉を胸にオリーブに向かい合っているそうです。タジャスカ種に一大変革をもたらしたパオロの原点は、この言葉の中にあるのかもしれません。
マイルドな香味ながら、心地よい辛みも感じらえる「シャッパウ」は、和食にもオススメのオリーブオイルです。また、雑味、油っぽさも感じませんので、所謂『飲むオリーブイオイル』にも向いています。