スローフード協会プレシディオ!
フレッシュな香味のノチェッラーラ種単一品種オイル。
シチリア島の西の端、トラーパニ。エリチェの丘の麓には、塩田とオリーブ畑が広がっています。バッリョ・インガルディアはこの地で1700年代から続く由緒ある農園です。元々はこの農園で働いていた、現在の当主の祖父が、農園主から買い取り、また近隣の農園を買い足し、現在では約20ヘクタールの所有地で、ブドウ(ワイン)、古代小麦(パン、パスタ、クラフトビール)、そしてオリーブ(オリーブオイル)を有機栽培しています。
バッリョ・インガルディアは、エコサステナビリティ(環境の持続可能性)に最大限配慮した栽培を目指しています。雨水を貯めるプライベートの溜池を作り、そこから農地へと水を引き、シチリアの長く暑い夏に必要な水分を確保することで、果樹の健全な生育に万全を期しています。もちろん、除草剤、殺虫剤などは一切使っていません。農園のそこここに、豆類(空豆系)を植えることで、土壌内の微生物、有機物を活性化させるという伝統的な有機栽培を実践しています。
栽培する品種はシチリア島の西側で広く栽培されている3つの地品種、チェラスオーラ種、ビアンコリッラ種、そしてこのノチェッラーラ種です。チェラスオーラ種は2018年から紹介し、その青々しい香りとパンチのある味わいで、オリーブオイル好きな方を中心にすでに人気の商品となっております。そして2020年から取り扱いを開始したのが、このノチェッラーラ種です。
正式名称ノチェッラーラ・デル・ベーリチェ種。トラーパニ県の東側、ベーリチェ川の流域を中心にトラーパニ県一帯で、その個性を最も発揮するこの品種は、チェラスオーラ種よりも香味が控えめ。後味がエレガントなこともあり、日本の食卓でも使いやすいオリーブオイルを生みます。トマトの香りが食欲をそそります。
イタリア・スローフード協会から「守るべき食材」にリストアップされている『カステルヴェトラーノの黒パン』には、このノチェッラーラ種のオリーブオイルをたっぷりとかけて食べるのが定番となっています。いかにもシチリア料理らしい、オレンジとフェンネルのサラダ、豆や野菜のスープ、ペスト・トラパネーゼにも欠かせないオリーブオイルです。
バッリョ・インガルディア農園のチェラスオーラ種とノチェッラーラ種を栽培する区画は、エコサステナビリティへの取り組みが評価され、イタリア・スローフード協会から、オリーブ農園としては数少ないプレシディオ(食の箱舟プロジェクト)に認定されています。