食材、料理と合わせた時に驚くほどの相乗効果を生む、稀有(ラーロ)なオイル。
カンパーニア州サレルノから約40キロ、海抜200mのアルバーニ山脈の斜面の丘の小さな村セッレ。アントニーノ・メンネッラのオリーブ畑は約7ヘクタール。オリーブ農園としてはかなりの小規模です。栽培する品種は、ロトンデッラ種、カルペッレーゼ種、ラヴェーチェ種、イトラーナ種(イトランズ)、フラントイオ種、カロレア種。小さいながら完璧に管理された自社搾油所では、長年の研究によって、それぞれの品種の個性を最大限に引き出したオリーブオイルが作られています。
この「ラーロ」は、ラヴェーチェ種とロトンデッラ種を合わせたブレンドオイルです。名前もシンプルに、ラヴェーチェ(RAVECE)のRAと、ロトンデッラ(ROTONDELL)のROを組み合わせたものです。カンパーニア産としては、稀有にストロングな香味を持つこの「ラーロ」は、文字通りラーロ(イタリア語で『稀な』、『卓越した』という意味のRARO)なオリーブオイルです。
マドンナ・デル・オリーヴォのオリーブオイルは、カップでテイスティングする際の印象も際立っていますが、その真価を発揮するのは料理や食材と合わせた時です。例えば、この「ラーロ」であれば、クレソンやルッコラのサラダ、グリルしたシイタケ、ホウレンソウなどの野菜スープにかけると、料理の美味しさがジャンプするような感さえあります。本来こうあるべきですが、ここまで相乗効果を与えてくれるオリーブオイルにはなかなかお目にかかれないのも事実です。
デノッチョラート製法(オリーブの種を取り除いて)で搾油すると、オイルの搾油効率は低下しますが、その一方でクオリティは飛躍的に向上します。雑味のなさ、クリアでキレのある香味は、デノッチョラートならではのものです。この製法の最も良い見本が、このマドンナ・デル・オリーヴォのオリーブオイルなのかも知れません。
「オリーブの木の聖母」。聖母マリアがオリーブの木に降臨したという伝説により、セッレの村にはこの名前が付いた小径や教会があります。アントニーノの農業会社の名前もこの故事に因んだものです。