伝統と革新を融合させたユニークな取り組みから生まれるハイクオリティ・オイル!
ストロングなコラティーナ種をバランスよく仕上げた最高級品。
南イタリア、地図で言えばちょうど踵にあたるプーリア州。オリーブオイルの生産量はイタリア随一のオリーブオイルどころです。バーリ県ビトリットにあるデ・カルロ家は17世紀から約400年に渡り、オリーブ栽培に携わってきたプーリアを代表する老舗生産者です。1980年からサヴェリオと妻グラツィアが、先祖から受け継いだ伝統を守りつつ、老舗ゆえ可能な「伝統」と「革新」を念頭に、真のオリーブオイルを作り続けてきました。
オリーブ栽培にとって理想的な気候条件のこの地方では、数世紀を経た古木もそこかしこに見られます。デ・カルロ家でも世代を越えて受け継がれてきたオリーブ畑を保有し、区画ごとにオリーブを収穫・搾油しています。その中でも、この「トッレ・ディ・モッサ」はデ・カルロ家を代表する区画の呼び名、そこから生まれるクリュ・オイル(限定畑)です。
品種はプーリア産の代名詞とも言えるコラティーナ種。数あるオリーブ品種の中でも最も香味の強い品種で、ポリフェノールの含有量の高さでも知られています。オリーブオイルに含まれる数ある微量成分の中でも最も重要なポリフェノールは、オリーブオイルにとって天然の保存料、人間にとっても医学的効果も認められている天然の抗酸化物質です。その一方で、コラティーナ種の香味は時に強烈で、非常に強い苦みを感じるため、往々にして敬遠されがちな品種でもあります。
何事にせよ「昔ながら」がよしとされた80年代のプーリアで、サヴェリオ・デ・カルロは、石臼でオリーブの果実を粉砕する伝統は生かしながら、油分の抽出工程では、伝統的な圧搾方式を放棄し、プーリアではまだまだ敬遠されていた遠心分離機を用いる近代的な方法を導入しました。周囲の反対は相当のものだったようですが、オリーブオイルの品質は飛躍的に向上しました。また、このユニークな工程を経ることで、コラティーナ種の強すぎる香味を和らげ、複雑さや繊細さを感じさせるということを可能にしました。
このように、「伝統」と「革新」を融合させることで誕生したオリーブオイルのひとつがこの「トッレ・ディ・モッサ」です。コラティーナ種の特徴を生かしたしっかりした風味を持ちながら、強さだけではない香味のバランスに優れたオリーブオイルに仕上がっています。野菜や魚介類を美味しく食べるプーリア州の料理に寄り添うオイルは、イタリアンから和食まで幅広く使える理想的なオリーブオイルだと思います。
サヴェリオとグラツィアが40年間、試行錯誤をへて確立させた数々のオリーブオイルは今ではコンテストやガイドブックでも最高評価を受賞しています。そして子供達にも受け継がれ、オリーブオイルを使った様々な製品も生み出されています。
なおオリオテカでは、その美味しさとクオリティから、ペランツァーナ種100%で作られた「ペランツァーナ」も販売しています。